スパコン「京」の今後はどうなるの? スーパーコンピュータ「京」を知る集い 特別版

 2013年8月24日(土)にスパコン「京」の今後はどうなるの?と題し、第15回目のスーパーコンピュータ「京」を知る集い 特別版を伊藤謝恩ホール( 東京都文京区本郷7-3-1 東京大学内 )において開催しました。
 今回、416名の方にご参加いただきました。ありがとうございました。
 各講師の講演要旨、講演資料は、こちらからご覧いただけます。※講演資料はPDFファイルをダウンロードしご覧ください。
 なお、当日回収させていただきましたアンケート調査の結果はこちらをご覧下さい。次回以降の開催の際の参考とさせていただきます。ご協力ありがとうございました。

9月21日付 読売新聞に「知る集い 特別版」の記事が掲載されました

概要

  • 主催:独立行政法人理化学研究所
  • 後援:一般社団法人日本経済団体連合会、日本商工会議所、公益社団法人経済同友会、一般財団法人高度情報科学技術研究機構、一般社団法人HPCIコンソーシアム、公益財団法人計算科学振興財団、次世代スーパーコンピュータ利用推進協議会、スーパーコンピューティング技術産業応用協議会
  • 開催日時:2013年8月24日 土曜日 14時~17時(受付13時30分〜)
  • 開催場所:伊藤謝恩ホール ( 東京都文京区本郷7-3-1 東京大学内 )
  • 定員:400名程度
  • プログラム
14時~14時5分

開会にあたって

藤木 完治/文部科学省 文部科学審議官
14時5分~14時30分

スーパーコンピュータ「京」による成果

平尾 公彦/独立行政法人理化学研究所計算科学研究機構 機構長
14時30分〜15時

今後のスパコン計画への期待

新浪 剛史/株式会社ローソン 代表取締役CEO
15時〜15時20分

スパコン開発計画の検討状況

下間 康行/文部科学省 研究振興局 参事官
15時20分~15時35分

休憩

15時35分~17時

パネルディスカッション
スパコン「京」と、今後への期待

モデレータ:
山根 一眞/ノンフィクション作家、獨協大学特任教授
パネリスト:
宇川 彰/一般社団法人HPCIコンソーシアム 理事長、筑波大学数理物質系 教授
瀧澤 美奈子/科学ジャーナリスト
中鉢 良治/独立行政法人産業技術総合研究所 理事長
野口 毅/大日本住友製薬株式会社 ゲノム科学研究所 所長
米澤 明憲/独立行政法人理化学研究所計算科学研究機構 副機構長

講演要旨

藤木 完治

藤木 完治

文部科学省 文部科学審議官

開会にあたって

 スパコンは防災・減災、ものづくりや環境エネルギー等、現代社会のあらゆる分野で威力を発揮する国家存立の基盤となる技術であり、国としても国家基幹技術としてこれまで重点的に投資を行ってまいりました。「京」は当初掲げた一秒間に一京回の計算を行うという前人未到の目標を達成しましたが、スパコン関連の技術開発は国際競争の激しい分野であり、現在、「京」の計算速度は世界4位となり、日本の存在感は薄れつつあります。
 スパコンによるシミュレーションは、あらゆる科学技術分野の発展に必要不可欠な研究開発基盤であります。そのため、技術開発を他国に依存すること、後れを取ることは我が国として好ましいことではありません。「京」は昨年9月に共用を開始したばかりですが、「京」の次のスパコン開発に向けて、ハードウェアのみならずソフトウェアについて考える時期にあると考えております。スパコン技術は継続的に維持・発展をしていかなければなりません。そのためには人材育成、拠点の形成等が必要であり、さらに国民の多くの方々に支えて頂いてこそ、実現することができます。本日来場された皆様を中心としてスパコン技術が我が国として必要不可欠なものであるという議論が拡がり、その中から国民の皆様のコンセンサスを得ることが出来れば幸いです。

平尾 公彦

平尾 公彦

独立行政法人理化学研究所計算科学研究機構
機構長

スーパーコンピュータ「京」による成果

 昨年の9月末から本格稼働したスーパーコンピュータ「京」は、科学技術の様々な面から成果が出ています。「京」はTOP500と呼ばれるスパコンの演算速度を競うランキングで2011年に2期連続世界第1位を獲得し、世界で初めて10PFlopsの壁を突破したスパコンです。また、演算速度だけでなく、スパコンの安定性やネットワークコミュニケーション性能等トータルの性能を測るHPCチャレンジ賞で2011年は4部門、2012年は3部門で1位を獲得しました。またスパコンを使った最も優れた応用研究に与えられるゴードン・ベル賞も「京」を使った研究成果で2011年、2012年と2年続けて獲得しています。このように「京」は科学的成果を出すことのできるスパコンと言えます。「京」は以前にはできなかった大規模なシミュレーションを可能とし、見渡すことのできなかった眺望、新しい可能性とチャレンジを与えてくれています。
 スパコンは日本社会を支え、明日を切り拓く国家存立の基盤技術です。科学技術で世界をリードするには継続的なスパコン開発が必要です。「京」を使い倒して成果を上げると同時に、「京」の後継機の開発に早期に着手すべきと考えています。

新浪 剛史

新浪 剛史

株式会社ローソン 代表取締役CEO

▶講演資料PDFはこちら プログラムpdf

今後のスパコン計画への期待

 産業競争力会議の民間委員として産業界の視点から計算科学技術がいかに日本の経済成長に重要かをお話ししたいと思います。
 重要なのはスパコンをいかに活用し、産業競争力を付けるか、社会問題を解決するか。社会問題の解決は新たな産業の創出につながるものであり、そのためにはシミュレーションの精度を上げることが非常に重要であると考えています。計算科学技術の成果を民生利用し、それを更に活用するといった正のサイクルが生まれることで国家の利益になり、国民生活の向上に寄与するものと考えます。 国民に「京」が必要だと認知してもらい、さらなるスパコン開発へと如何に正のサイクルを生み出し、回していくかが重要であります。そのためには人材育成も必要です。若い人たちが夢を持てるように産業界として応援していきたいと考えております。

下間 康行

下間 康行

文部科学省 研究振興局 参事官

▶講演資料PDFはこちら プログラムpdf

スパコン開発計画の検討状況

 近年、経済成長、国家安全保障、産業競争力、科学技術力の強化にスーパーコンピュータは必須のものとなっており、米国、EU、中国など世界各国がハイパフォーマンスコンピューティング技術の開発を重要政策として国主導で進めており、日本は第4期科学技術基本計画(平成23年8月閣議決定)において、国家存立の基盤保持の国家安全保障・基幹技術として位置づけて推進しています。日本国内の計算資源のニーズは急速に伸びており、世界最高水準のスーパーコンピュータの継続的な環境整備が必要となっています。文科省としては2020年頃までのエクサスケールスーパーコンピュータの実現を目指して開発・整備を進め、国全体として世界最高水準の計算資源を確保したいと考えています。今後の開発の方向性としては、「京」の100倍の計算性能を有するエクサスケールのフラッグシップシステムの実現とそれを支える複数のシステムを複層的に整備し、またそれらのマシンの能力を最大限に活かすアプリケーションの開発も戦略的に進めたいと考えています。これにより、宇宙の起源や進化の探求、より安全性の高い自動車開発、広域複合災害に対する総合防災・減災対策などの成果を出したいと考えており、エクサスケールスーパーコンピュータの開発には来年度から着手したいと考えています。

パネルディスカッション

【パネルの模様は新聞記事をご覧ください】詳細はこちらから▶

アンケート調査結果 ※416名中309名が回答

Q1.性別を教えてください。 Q2.年齢を教えてください。 Q3.ご職業を教えてください。
Q4.どちらからお越しになられましたか。 Q5.「京」を知る集いの開催をどこでお知りになりましたか。(複数回答)
Q6.講演内容について Q7.開催時間について  

■お問合せ先

独立行政法人理化学研究所
計算科学研究機構 広報国際室 岡田 昭彦
TEL:078-940-5625
E-mail:aics-koho@riken.jp (全角を半角に修正後お送りください)
URL:http://www.aics.riken.jp/shirutsudoi

印刷用チラシデータはこちらからダウンロードしていただけます。【pdf 401KB】