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Science 研究成果

研究成果 ピックアップ

研究成果事例をピックアップして紹介します。
※「京」、ポスト「京」関連の研究成果については、理研以外の研究機関による成果も含まれます。
※成果の最新情報については、新着情報もあわせてご覧ください。

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2016年08月16日更新

「京」と最新鋭気象レーダを生かしたゲリラ豪雨予測
~「ビッグデータ同化」を実現、天気予報革命へ~

いつの間にかすっかり定着した「ゲリラ豪雨」という言葉。予測困難な、局地的に起こる急な大雨のことで、大きな被害がもたらされることでも知られています。今回、理研と情報通信研究機構、大阪大学らの国際共同研究グループは、「京」と最新鋭気象レーダを活かした「ゲリラ豪雨予測手法」を開発しました。天気予報の根幹は、シミュレーションと実測データを組み合わせる「データ同化」と呼ばれる手法です。研究グループは「京」を用いて、次世代の高精細シミュレーションと、最新鋭のフェーズドアレイ気象レーダの双方から得られる高速かつ膨大なデータを組み合わせる革新的技術を開発。従来とは桁違いのデータを扱う「ビッグデータ同化」を実現し、実際のゲリラ豪雨の動きを詳細に再現することに初めて成功しました。これは今まで想像もつかなかったような超高精細天気予報の可能性を示す、いわば天気予報の革命です。この技術を発展させることで、将来「ゲリラ豪雨」という言葉も無くなるかもしれません?!

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ゲリラ豪雨を予測する -ビッグデータ同化で天気予報に革命を起こす(広報誌:計算科学の世界)

プレスリリース

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2016年07月14日更新

メニーコアに向けた新並列計算モデル
~ビッグデータ処理などをより高速に、かつ省メモリで実行~

スーパーコンピュータの心臓部であるCPUに、計算を実行する「コア」を数十個~数百個を載せた「メニーコアプロセッサ」が、近年のスーパーコンピュータの主流になりつつあります。メニーコアプロセッサを用いることで、複雑な計算を多数のタスク(計算処理)で並列に実行可能になり、より高速な処理が実現できます。しかしながら、従来の並列計算の実行モデルでは、タスク間のデータ交換が効率的でない、メモリを多く消費するといった問題がありました。
今回開発された「PVAS・ピーヴァス」技術により、データ交換を高速に、同時にメモリ消費を少なく並列計算の実行が可能になります。このため、PVASを用いることで、スパコンで計算する気象予測、災害予測、ビッグデータ処理などを効率化するための基盤技術として期待されています。

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メニーコアに向けた新並列計算モデル

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2016年06月14日更新

北極域への「すす」の輸送メカニズムを解明
~「京」を用いた超高解像度の全球大気汚染物質シミュレーション~

大気中を漂う小さな塵、エアロゾルは大気汚染や気候変動の重要な要因です。中でも「すす(黒色炭素)」は氷の上に降り積もって融けやすくさせるなど、気候変動への影響が大きいと考えられています。しかし輸送量などの正確な推定は困難で、気候変動予測における不確かさの一因でもあります。
今回「京」で従来にない高解像度のシミュレーションを行い、これまで捉えきれなかった低気圧や前線の微細な構造が、「すす」の輸送に大きな役割を果たしていることがわかりました。今後、より高性能なスーパーコンピュータを最大限駆使しエアロゾルの輸送メカニズムを明らかにできれば、より不確実性を減らした気候変動予測が可能になると期待できます。

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2015年12月28日更新

モーターショーで「京」を使った新材料開発技術が生み出した新しいタイヤ公開
~安全性 ・ 低燃費性 ・ 耐摩耗性の実現のために~

今後のタイヤ開発には、「進む、曲がる、止まるなどの安全性」、少ない燃料で遠くまで走ることのできる「低燃費性」、さらに、長期間使用することで環境にも配慮した「耐摩耗性」が求められます。これらの背反する性能を高次元で実現するためには、タイヤのゴム材料の内部構造を分子レベルから理解し、コントロールする必要があります。
今回、住友ゴム工業が、大型放射光施設「SPring−8」と大強度陽子加速器施設「J-PARC」で得られたゴムの高精細な内部構造や分子の運動を「京」で再現・シミュレーションを行い、ゴム内部の破壊や発熱のしくみを明らかにしました。これによって、タイヤにかかるストレスの原因を特定しコントロールする新技術が完成、開発されたタイヤが東京モーターショーにて発表されました。

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2015年09月10日更新

”巨大” な生体分子を高速シミュレーション
~超並列分子動力学計算ソフトウェア「GENESIS」~

生命活動を担う数百種類の細胞。細胞の働きを分子レベルから知ることができれば、私たちは生命の不思議を解き明かすカギを手に入れ、難病の原因究明や新薬の開発などにも応用していくことができます。しかし細胞の中のタンパク質分子の動き全部を計算するには、1秒間に1京回計算する「京」の性能でもまだ足りないという、途方もなく大規模な計算が必要です。
超並列分子動力学計算ソフトウェア「GENESIS(ジェネシス)」は、必要に応じて計算の条件を変えたり、計算を効率的に行う仕組みを取り入れたりするなど、数々の工夫を盛り込むことで、細胞内の環境を想定した1億個の原子が集まっている分子システムに対しても、高速なシミュレーションを可能としました。GENESISによって、今後の生命科学への応用に向けたさまざまな知見がもたらされることが期待されています。

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2015年07月29日更新

2つの中性子星の合体とブラックホールの進化過程に新解釈
~「京」で磁場が増える仕組みを解明~

ブラックホールの成り立ちには分かっていない事が多く、その解明に多くの研究者が取り組んでいます。ブラックホールが作られる原因はいくつか考えられていて、その一つに中性子星(※)の合体があります。2つの中性子星は重力波の発生により合体しますが、磁場の影響も大きく受けています。このため、ブラックホールの成り立ちや進化を探るためには、磁場の変化を調べる事が重要です。研究チームは中性子星がもつ磁場に着目し、「京」を用い、合体時の磁気の流れのシミュレーションを世界最高の解像度で行いました。従来は、合体後に形成されるブラックホールの周りのガス円盤の中で磁場が増えるとされていましたが、その前の過程で磁場が増える仕組みを明らかにすることができました。

※中性子星…中性子を主成分とする極めて高密度な天体。太陽のおよそ 10 倍以上の質量をもつ恒星が超新星爆発を起こした後、その中心核から作られる。1cm3あたり10億トンという超高密度になる。

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京都大学プレスリリース

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2015年04月30日更新

世界最高の解像度で太陽の対流層を計算
~太陽の黒点が生成される仕組みの研究や、太陽活動の変化を予測するために役立つと期待~

太陽は地球上の生命にとってなくてはならない存在で、太陽の活動は私たちの生活に大きな影響を与えます。その太陽の中心部では核融合と呼ばれる現象でエネルギーが生成されます。中心に近い層(半径の7割まで)は、光でエネルギーが運ばれ「放射層」と呼ばれます。表面に近い層(半径の7割から表面まで)は、熱対流でエネルギーが運ばれるので「対流層」と呼ばれます。太陽の対流層では、流れが乱れる現象(乱流)が数多く起きています。太陽で発生しているエネルギーの流れや磁場の生成を理解するためには、乱流をシミュレーションで再現することが重要です。今回「京」を用いて、世界最高(従来の6倍以上)の解像度で、乱流を含む太陽の熱対流の計算を行うことができました。これにより、今後は太陽の黒点が生成される仕組みを詳しく調べたり、太陽の活動の変化を予測するために大いに役立つと期待されます。

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東京大学理学部プレスリリース

参考資料

東京大学大学院理学系研究科 堀田英之博士プレスリリース資料

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2015年04月21日更新

スパコンで高解像度の津波モデルを用いてリアルタイムに浸水を解析
~津波警報を高度化し、災害に強い都市づくりに貢献~

東日本大震災の際には、地震発生から3分後に出された津波の高さの予報値を実際よりも低く見積もっており、リアルタイムでの推定方法に大きな課題が残りました。また、津波の高さだけではなく浸水範囲などの情報の必要性も指摘されました。今回、東北大学と富士通研究所の研究チームは、従来よりも解像度の高い(5メートル四方の単位で見分けられる)津波モデルを開発しました。地震発生時の観測データから推定される津波の発生源を入力することで、短時間で津波の浸水状況を予測可能です。このモデルを「京」で実施・検証したところ、従来ワークステーション(研究開発用のコンピュータ)で数日を要した計算が、数分以内に完了できることが分かりました。本技術を用いると津波の浸水状況をリアルタイムにかつ詳細に予測できるため、より適切な災害対策が期待されます。

※津波モデル…シミュレーションを用いて津波を解析するためには、津波が起こる様子を数式を使って表す必要がある。津波を表すための数式の集まりを「津波モデル」という。

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JAMSTECプレスリリース

東北大学プレスリリース

富士通研究所プレスリリース

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2015年04月21日更新

スーパーコンピュータ「京」で大型施設の丸ごとシミュレーションに成功
~国内外の耐震性の高いインフラ整備に貢献~

石油プラントなどの機器や配管を支える構造体は色々な部材、つまり複数の部品でできています。従来は鋼材となる部品を一本の直線で表現して計算していたため、構造体全体と部品の詳細な動きなどを同時に解析できませんでした。原子力研究開発機構と千代田化工建設の研究チームは、建物の揺れを継手という細かい部品から全体まで総合的に解析する「組立構造解析」技術を開発してきました。今回、「京」と「組立構造解析」技術を用いて、数多くの部品から組立てられたプラントを丸ごとシミュレーションすることに成功しました。この結果、構造体全体の解析と、機器や部品同士のつなぎ目の解析、部品を差し替えて軽量化した場合の耐震性の評価を複数同時に行うことを可能にしました。今後はこの成果をより安定性の高い施設や機器の開発・設計に活かし、国内外の耐震性の高いインフラ整備に貢献していきます。

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日本原子力研究開発機構プレスリリース

千代田化工建設プレスリリース

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2015年04月21日更新

「京」による大規模な気泡生成シミュレーションに成功
~シャンパンの気泡同士に働く力の解明により、さまざまな工業分野への応用に期待!~

シャンパンや炭酸飲料の栓を空けると、たくさんの泡が出ますが、その後、大きい泡がより大きく、小さい泡がより小さくなる「オストワルド成長」という現象が起きます。研究チームはこの現象を「京」を用いて7億個の粒子を使って再現し、気泡が発生する最初の過程のミクロな様子を世界で初めて明らかにしました。この結果、時間に伴って気泡の数が変化する様子が、理論による予想と一致することが分かりました。この結果を用いるとシミュレーションによって、気泡の発生や成長、気泡同士に働く力を分子レベルから明らかにすることが可能になり、発電所のタービン(※)や船舶のスクリューの設計、金属合金の生産など、さまざまな工業分野への応用に貢献すると期待されます。

※発電タービンの多くでは、水を蒸気に変えるのにボイラーを使用しています。ボイラーの中では、水から蒸気に変わるときに沸騰(温度を上げることにより起きる発泡現象)が起きていて、ボイラーやタービンの動作効率に大きな影響を与えます。気泡発生の仕組みを調べることで、発電効率の高い発電所の設計につなげることができると期待されます。

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